評論家・中島梓さんでもあった、作家・栗本薫さんが、膵臓癌のため、2009/05/26夕方、お亡くなりになりました。
56歳でした。
わたしが初めて読んだ栗本さんの著作は、『グイン・サーガ』の第1巻。
そのときすでに十数巻だか二十数巻だか刊行されていて、でもあまりの面白さに、書店に行くたびに5巻ずつまとめ買いをして、あっという間に最新刊に追いつき、伊集院大介シリーズやぼくらシリーズなどなど、ほかの作品にも手を広げつつ、グインの新刊を待ちわびる二十数年を送ってきました。
その結果、わたしの書斎には、栗本薫&中島梓専用本棚が二つありますが、それすらいまにも溢れそうです。
訃報に接して、最初は平気なふりをしようとしていましたが、やっぱり無理で、ダーリンの前で号泣しました。
わたしが舞台にも立っていた頃に知り合った役者さんたちの数名が、天狼プロの舞台に良く出ている方々だったので、その中のお一人のバースデーライブに行ったとき、共通の知人の役者さんにご紹介いただいて、先生にご挨拶したたことがありました。
「わたしのワープロはセリエという機種なので、ジュスティーヌと名付けています」
と告白して、
「まあ、この方、コアだわ」
と驚いていただいたことは、一生の思い出です。
2000年になったばかりの1月だったので、19……と書きかけてむりやりに2000年に書き直してくださったサインも、一生の宝物です。
今年は『グイン・サーガ』30年の記念の年で、この春から半年の予定でアニメの放送が始まったばかり。
アニメは当然物語の最初から始まったので、見ているとものすごく懐かしくて、久しぶりに1巻目からの読み返しをしようかなあ、などと思っていたところでした。
そう思いながらも、最新刊の126巻を何度も読み返しつつ、偶数月上旬に上梓される新刊を待ちわびていました。
いつまでも、隔月刊グインの発売日を心待ちにする日々を重ねていきたかった。
最終巻のタイトルとして予告されていた『豹頭王の花嫁』に辿り着くまで、200巻でも300巻でも、リアルタイムで追いかけていきたかった。
すでに書き上げられていたグイン・サーガは予定通り刊行されるようですが、早川書房によれば、その後の引き継ぎは未定とか。
どんなに素晴らしい作家の方が引き継がれたとしても、「もし栗本さんなら……」と考えてしまうと思うので、未完のままでそっとしておいていただいて、読者一人一人がそれぞれに、自分の納得のいく物語を自分の心の中で紡いでいけばよいのではないかしら、と、個人的には思っております。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
ヤーンの導きの元に……。
※注:「ジュスティーヌ=セリエ」……栗本薫さんのたくさんあったペンネームの一つ。ジュスティーヌ=セリエ作品の翻訳者であった「あかぎはるな」も、もちろん栗本さんのペンネーム。クイズ番組「ヒントでピンと」に出演もされていた中島梓名義のほうが一般の方には馴染みがあるのかも知れませんが、それ以外にも少なくとも三つのペンネームをお持ちで、今は無き『JUNE』の創刊当時、マンガ以外の部分の半分くらいは栗本さんが書かれたもので埋まっていたとか。
テーマ : 訃報 - ジャンル : ニュース
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